シェア住居白書制作日記

シェア住居白書、楽しんで頂けましたでしょうか。終わりに近づいてきましたが、最後にシェア住居白書制作の過程を少し公開したいと思います。シェア住居白書づくりもそれなりに大変だったのです。

申し遅れました。

シェア住居白書づくりを手伝っていました、見立(ミタテ)と申します。今は就職して社会人をしていますが、シェア住居白書のためのデータ収集をしていた2007年は大学院で建築学を専攻していました。

シェア住居白書をつくるのはもちろん、自分としては修士論文をシェア住居に関して書いていたので大学院を卒業できたのも、ひつじ不動産・ご協力頂いた事業者様・インタビューに応じて頂いた居住者の皆さん・アンケートに答えて頂いた皆さんのおかげです。ありがとうございました!

さて、そんな自分がひつじ不動産のある、大塚からほど近いビルのワンフロアに初めて足を踏み入れたのは2007年6月23日のことでした…。

2007年6月23日 初ひつじ不動産  ヒアリングは17:00~

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写真はひつじ不動産とは全く関係ありません…

それまで、数社のシェア住居事業者さんにヒアリングしたり、何軒かのシェア住居を見学・居住者の方にヒアリング、短期間ですが2週間強とあるシェア住居に住んだりもしていましたが、シェア住居のポータルサイトの方にお話を伺うのは初めてでした。

ひつじ不動産が事業を始めたきっかけから現在まで、シェア住居市況、各事業者さんの運営状況、シェア住居での生活等々、1時間半ほどひつじ不動産の北川さんにお話いただきました。

ひつじ不動産がシェア住居の広告媒体で、居住者と事業者さんをつなぐ役目をしている性格上、居住者の側からも事業者さんの側からも冷静にシェア住居業界を見つめている姿勢が研究としての自分の視線と一致するところもあり、ヒアリングが終わるころには、

何かしらお手伝いしに、ひつじ不動産に来ます。

ということになっていました。

そんなこんなで6月末から週1~2日程度、ひつじ不動産に通う日々が始まりました。

2007年7月~8月 ひつじ不動産通い

最初はシェア住居白書をやることも決まっていなかったので、ひつじ不動産の事務所に来ては掲載する写真の調整(角度が斜めなのを真っ直ぐにしたり、暗く写っているのを明るくしたり、色味を直したり)をしたりしていました。ひつじ不動産では第三者的立場から、なるべく脚色の無いように掲載する写真を全て自ら撮りに行っています。そんな単純作業でしたが、写真の調整をしながらシェア住居の話を聞きつつ知識を蓄えていった夏でした。

といっても写真の調整ばっかりしていても、私事ですが修士論文にはならないので、ひつじ不動産としてはシェア住居白書として、自分としては修士論文として、シェア住居の全てを明らかにしちゃいましょうということで合意したのが8月ぐらいだったと思います。

2007年9月 アンケート内容作成

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*うまい棒アンケート

ということで、シェア住居白書の目次づくり→アンケートの作成というところから始めましたが、これがなかなか結構時間がかかりました。やり直しもききませんし、やっぱり最初が肝心ですしね。ちなみに、うまい棒アンケート*の発案者は北川さんでした。

そういえば、アンケートの最後の将来の夢の項目で「うまい棒2本じゃ答えられません。」という回答がありましたが、ホントうまい棒2本ぐらいで皆さんアンケートに答えて頂いてありがとうございました。

シェア住居白書と直接関係は無いですが、バウハウス高円寺で王様のブランチの撮影があるということで見に行ったのもこのころだったと思います。居住者の方のインタビューでもその後行ったので、数回お邪魔しましたが何回行っても良いシェア住居ですね。

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バウハウス高円寺(撮影を外で待っている)

あと、最近よくひつじ不動産のブログ「シェア住居探検隊」を書いている佐藤さんが世界一周旅行を終えてひつじ不動産に来たのもこのころだったと思います。

2007年10月 うまい棒うまい棒の日々

アンケートの内容も決まったので、実際にアンケート用紙の印刷、折込み、封筒やうまい棒の封入、回収袋の作成等々、ほぼ機械と化して黙々と作業を始めたのが10月です。北川さんと佐藤さんは各自業者さんにアンケート調査協力のお願いをして回っていました。

アンケート用紙の封入等では配布数が3000通以上だったため、大学の同期の友達や研究室の後輩達にかなり助けてもらいました。3000通というとあまり大したように聞こえませんが、実際やってみると、うまい棒を見るのも嫌になりますよ。透明の袋を熱で閉じるシーラーの扱いがどんどん上手くなっていったり、人生でどうでも良いスキルばっかり上がっていきます。

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×3000

このころは、ひつじ不動産の事務所はうまい棒のダンボールや封筒などで一杯でした。たぶんうまい棒が6000個以上そんなに広くないスペースにある風景を見るのも、あの時が最初で最後でしょうね。でも、うまい棒のおかげかどうか、結果的にアンケートは700以上の方々に回答頂きました。過去にも恐らく将来的にも最大のシェア住居アンケートになったと思います。

2007年11月~12月 インタビュー!

ということでアンケートの配送も大体終わって、シェア住居事業者さんや居住者の方々へのインタビューを始めたのが11月でした。やっぱり人に話を聞くのは楽しいですね。

2007年11月20日 日欧交友企画様

この日はひつじ不動産に登録して頂いている事業者様の中で、最も運営開始時期の早い日欧交友企画様のインタビューでした。シェア住居の源流がいわゆる外人ハウスにあったこと、まだインターネットが普及していなかったころの集客方法等、シェア住居の歴史について詳しくお話いただきました。

2007年11月27日 居住者インタビュー@客家下北沢の家&バウハウス高円寺

客家下北沢の家とバウハウス高円寺の2件を一日でインタビューして回りました。下北沢の家はなんと言っても下北沢駅から程近い立地が最高ですね、共用スペースの家具もおしゃれでした。バウハウス高円寺は元々下宿だった建物をリノベーションしてシェア住居にしていますが、このリノベーションが絶妙で古い建物の良さを残しています。バウハウス高円寺の居住者の方は韓国からの語学留学生でしたが日本語のうまいこと。

2007年11月30日 居住者インタビュー@山晴荘

山晴荘も元の建物が古いですが、素の古さが素敵なシェア住居です。インタビューに応じていただいた居住者の方は役者修行中で、シェア住居も山晴荘で3軒目とかなりのシェア住居通でした。シェア住居内見は居住者の多い夕方ごろの時間帯にすべき、等々シェア住居マニアならではのお話を頂きました。

2007年12月1日 居住者インタビュー@フィオーレ浅草ハウス

インタビューに応じていただいた方のお兄さんが、大学の2年上の先輩だと分かってびっくり。世間は狭いですね…。

2007年12月2日 居住者インタビュー@bettak上野御徒町&南柏シェアハウス

この日は午前中、bettak上野御徒町でインタビュー。3人の居住者の方々にお話いただけました。皆さんほんとに仲の良いこと。午後は千葉県南柏に移動して、南柏シェアハウスでインタビュー。お話いただいた後に、運営事業者さんや居住者の方々を交えてバーベキューをご馳走になってしまいました。おいしかったです!写真はビールを飲んでご機嫌のラッセルさん。

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南柏シェアハウスのラッセルさん

2007年12月9日 居住者インタビュー@ウェル洋光台

ウェル洋光台では4人の居住者の方々にお話をうかがうことができました。少し郊外にあるため庭付きで、高台で眺めも抜群と都心のシェア住居にはない居住環境の良さが魅力です。元々社員寮だったのでキッチンも広々、全体的に空間に余裕があります。庭で家庭菜園をしているシェア住居も初めて見ました。シェアの本棚も作成予定等、シェアならではの生活を皆さん楽しんでいました。

2007年12月12日 居住者インタビュー@四谷ハウス&オークハウス様

午前中は四谷三丁目の駅からすぐの四谷ハウスでメキシコから旅行中の方にインタビュー。次の日にメキシコに帰国するとのことで、ぎりぎりインタビューが間に合いました。日本での滞在をエンジョイしたとのこと。

夕方から日本人向けシェア住居最大手のオークハウス様の社長にインタビュー。さすが最大手企業の社長さんだけあって気迫が違いました。一言一言納得させられるお話を頂きました。ありがとうございました。

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オークハウスさんの取材風景

と、他にも返ってきたアンケートの集計等ありましたが、こんな風に8月~12月にかけてアンケート作成からインタビューまで、シェア住居白書の制作を行ってきたのでした。おかげ様で居住者の観点からも運営事業者様の観点からもシェア住居を見ることができ、シェア住居の全てを明らかにしちゃいましょう、という当初の目標を達成できたと思います。

最後に改めて、ご協力頂いた事業者様・インタビューに応じて頂いた居住者の皆さん・アンケートに答えて頂いた皆さん、ありがとうございました。

それでは良いシェア住居生活を!

2008.06.14.